お問い合わせフォームとスパム・迷惑メール対策
最終更新日: 2017/09/14 12:34pm
こんにちは。経理の小高です。
電子メール全体を占める迷惑メールの比率は2012年頃の70%から徐々に減少していて、総務省の「電気通信事業者10社の全受信メール数と迷惑メール数の割合(2017/6時点)PDF」では40%を割り込んでいます。
ホームページを運用管理させていただく立場から見ますと、この間に主要なメールサービスのスパムフィルターがとてもよくなりました。
これと同時に、「ホームページに設置したお問い合わせフォームの着信メールが迷惑メールに入る(誤識別)」という事故が起こるケースも増えました。
以下は、お問い合わせフォームへの投稿から(サイト所有者へ)メールが届くまでの道筋です。
到着したしたメールがスパムかどうか判定するのは、上図④のスパム判定プログラム(メールゲートウェイともいいます)です。スパム判定では古くから機械学習の方法が用いられていて、この部分がよくなったこともスパムメールが減ったことの1つの理由かと思います(送っても無駄なので)。④でスパムと判定されると、そのメッセージはゴミ箱行きとなります。
スパムメールは「プログラムを使って大量に」配信されます。ホームページのお問い合わせフォームも「プログラムによってメールを作成(③)」しますので、メールサービスの提供者(GoogleやMicroSoftなどなど)からスパムとして誤識別されやすい、という課題を抱えています。
スパムメールが減ってきたことのもう1つの理由は、メールの認証方式が定着してきたことかと思います。
下の図は、SPFレコード、DKIM(ドメインキー)によるメールの認証方法です。いずれも、ドメインの所有者がDNSサーバー(そのドメインのアドレスが何番かを公表するサーバー)に特殊なレコード(認証方式にあわせたTXTフィールド)を設定することで行います。
逆にこれらの設定を行っていないと、スパムメールとしてはじかれてしまう(④)か、迷惑メール(⑤)に入ってしまいます。
SPFとDKIMが設定されているかどうかは簡単にチェックすることができます。
Gmailでは、メッセージを開いて、右上のメニューから「メッセージのソースを表示」を選ぶと、メールヘッダーをみてSPF、DKIM(など)がOK(pass)かどうか出てきます。
Office365(Exchange Online)では、「メッセージの詳細」を開くとメールヘッダーをみることができます。ここでSPF、DKIM(など)がOKかどうかみることができます。メールヘッダーには暗号化(TLS)されているか、などの情報も含まれています。
実際にある話として、こうやって対策しても「迷惑メールに振り分けられてしまう」ことがあります。こういった場合には、GoogleやMicrosoftに「かくかくしかじかでちゃんとやっているんだから迷惑メールにしないでください」とお願いします。
迷惑メールに振り分けられてしまうとメールの受信者は着信に気が付きません。
お問い合わせフォームから着信メールの場合、閲覧者(お客様のお客様からのメール)ですから、あってはならないことなのですが、技術的にはあり得ますし、実際に事故が起こることがあります。
とても悩ましい問題です。
一つの方法としてSNSのメッセージをつかって、着信をお知らせするという方法がありえます。以下はラインのボットのイメージ(サンプル)です。
そろそろ「メールからメッセージへ」の時代なのかもしれません。
←「イーレンジャーのかわら版2017年9月号:ホームページの改ざん事例」前の記事へ 次の記事へ「【ディープラーニング】GPUマシンでモデルの学習はどれくらい速くなるのか」→