【ホームページ】お祭り・イベントの天候が不順な場合にはアクセス数に要注意です
最終更新日: 2018/07/31 11:45am
こんにちは。
経理の小高です。
週末は台風の影響であいにくのお天気でした。隅田川の花火大会も28日から29日に順延、ここ川越の夏祭り(百万灯まつり)も同様に順延となりました。
写真:百万灯祭り (小江戸百万灯祭り実行委員会のFacebookより)
仕事がら、大きなイベントがお天気の影響を受けるときには神経質になります。
「今日、お祭りあるのかなぁ」とお祭りを楽しみにしていてくださる方は、開催の状況を確認するために「いつにも増して」たくさんホームページにアクセスされます。
これが突然の負荷になってサーバーが落ちる(ホームページが見られない)ことがあるからです。
下は、川越商工会議所に掲示された開催の状況をお知らせするページです。
図:川越商工会議所ホームページにある開催順延のお知らせ
さて、小江戸川越百万灯祭りの開催(7/28から7/29)でのアクセスの状況をみると下のようになります。これは川越商工会議所様のサイト全体のページビュー数ですが、週末に抱えて3倍に跳ね上がっていることがわかります。(アクセス数は隠しています)
図:川越商工会議所ホームページ全体のアクセス数
上に掲載した「開催順延のお知らせページ」では以下のような感じです。
図:開催順延のお知らせページのアクセス数
実運用(管理)では、リアルタイムでこういった情報プラスアルファ(サーバーの負荷状況)を監視しておりますので、当日もそういった情報を(自宅からVPNを使って)見ていました。
今回、この監視業務はいわば「念のための作業」でした。その理由を以下に書きたいと思います。
しばらく前に川越商工会議所様ではキャッシュサーバー(Amazon Web Services Cloud Front)を使った運用をさせていただいています。
概略を下の図に示します。(セキュリティ的な配慮がありますので、正確ではありません)
図:Amazon Cloud Front+WAFをつかったWebサーバーの構成図
ホームページを閲覧する方(百万灯祭りの場合は観光客の方々、観光業の方々)がホームページをアクセスする際、ウェブサーバーではなく、キャッシュサーバーをまず見るようになっています。
キャッシュというのは、1度アクセスのあったページを一定期間だけ保管する仕組みです。
閲覧者が特定のページを見たいとき、キャッシュサーバーにあればそれが見ることになって、キャッシュサーバーにない場合だけWebサーバーからの情報をみます。キャッシュサーバーからの応答はWebサーバーよりも断然高速です。
結果として、たくさんアクセスのあるページは「とても速く」なる上にWebサーバーに負荷がかかりません(ダウンするリスクが減る)。
上にちょろっと書きましたWAFというのは、ウェブ・アプリケーション・ファイアウォールといって、SQLインジェクションとかクロスサイトスクリプティングといった攻撃からWebサイトを守るサービスです。
さて、キャッシサーバーの仕組みは分かったので、それが働いたかどうか、実際にCloud Frontの統計情報を見て見ましょう。
下の図の上がリクエスト数、下がキャッシュヒット率です。
図:Cloud Frontの統計情報
週末にかけてアクセスが増えていますが、ヒット率(閲覧者にキャッシュサーバーからホームページを送った割合。データ量ベース)は平均で95%になっています。
つまり、アクセスが3倍に増えた週末であっても、Webサーバーへの負荷が一定範囲に収まっているため、Webサーバーがダウンする確率は極めて低かったと言えます。(よかったよかった)
Amazon Cloud FrontはCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)の仕組みです。CDNとは、このようなキャッシュサーバーを世界中に配置して世界中のどこからでも高速にレスポンスする仕組みです。amazon.co.jpもこれを使っているわけですから、ちょっとやそっとじゃ壊れません。(これがAmazon Webservicesの強味)
弊社では、小江戸ハーフマラソン様他でこのサービスを利用して、ホームページがダウンしないような運用を行っています。
CloudFrontはとてもフレキシブルなサービスですので、既存のホームページをそのままにしてキャッシュサーバーのいいところだけ利用することも可能です。
ご興味がございましたら是非お問い合わせください。
←「【AIアート】川越氷川神社の風鈴 川越名画シリーズ。Neural Algorithm of Artistic Style」前の記事へ 次の記事へ「イー・レンジャーのかわら版 29号、「台風がくるとホームページがダウンする!?」」→