【おしらせ】オクトパスをバージョンアップしました
最終更新日: 2018/10/31 1:48pm
こんにちは。経理の小高です。
過ごしやすい季節になりました。
先週末は川越祭り。お祭りに前後して、ウェブサイトへのアタックが多くなっています。
下はオクトパスが一昨日(2018/10/29)検出したログです。「SQL 1=1」 は言わずもがなのSQLインジェクション。イギリスからウェブサイトにアクセスしてきたようです。データベースからの情報漏洩を狙っています。
お客様の多くがワードプレスをお使いになっていますので、こういった攻撃は(たとえ1回であっても)看過することはできません。
図:ウェブサイトへの攻撃
私どもが管理をさせていただいているウェブサイトのほとんどが埼玉県川越市近郊のお客様のものです。
企業規模の大小にかかわらず海外からの攻撃があとをたちません。
オクトパスのおかげで、こういった(お客様のシステムの)「異常」を見るのが楽になりましたし、見落とすこともなくなりました。
攻撃といった事件や、サービス停止やサービスレベルの低下といった事故は本来「その兆し」から防御すべきです。もっというならば、その兆しがでないように予防をする。さらに、予防が万全なサービスを利用する、という手段をとるべきです。
オクトパスは「兆し」をとらえる仕組み、予防はメンテナンス作業、サービスの良しあしは目利き。わたしたちが存在する意義はそこにあります。
さて、オクトパスをリリースして1年半ほど時間が経ちました。バージョンアップ作業の完了・移行が無事すみましたので報告いたします。
下はオクトパスの概要を示した図です。
図:オクトパスの概要
オクトパスの巡回対象は
- ホームページ
- メールサービス(office365)
- ウィルス対策ソフト(NTT東日本おまかせアンチウィルス)
- サーバー・ネットワーク(オンプレミス)
となっています。(図の左側)
図の右側にオクトパスが書いてありますが、現行のオクトパスはイー・レンジャー事務所内とAWS上の2段構えのモジュール構成になっています。上段のオクトパスが本体ですべての機能が搭載されています。下段のオクトパス(リモート)はAWS上にあって、営業担当用のインターフェイスをもっています。
全てをAWSにおけばいいではないか、というご意見があろうかと思うのですが、モジュールを分割しているのにはいくつかの理由があります。
- オクトパスにはお客様の機密情報が含まれていますので、AWS上にはこれらを除いたデータだけ配備しています。
- AI全体(DeepLearningのトレーニング)をAWSに置くより、オンプレミスの方がコストメリットが(現時点では)ある。
- AWSからロボットを巡回させると、スパムと間違われるケースがある。
話をオクトパスのバージョンアップに戻します。
先期の投資の1つとして、Deep Learning用のマシンを1台増やしました。
図:ディープラーニング用マシン
このマシンには現行とおなじGPU(NVIDIA GeForce GTX1080Ti)が搭載されています。GTX1080Tiの上のGPUはTitan Xですが、メモリーが12GBですのでGTX1080Ti(11GB)とさほどかわりません。
以下は、オクトパス(旧バージョン)のソフトウェア構成図です。
図:オクトパスのソフトウェア構成図(旧)
新しい構成図は以下のようになっています。
図:オクトパスのソフトウェア構成図(新)
図中、青で囲んだ部分が主にアップデートしたところです。CUDAを8.0から9.2、cuDNNを6.0から7.2にアップデートしました。また、Deep LearningのフレームワークにはChainerを使ってきましたが、1.24と古いバージョンでしたので、4.4(or later)対応としました。これにともない学習モデルも更新しています。
また、周辺ソフトウェア(CakePHP、Selenium、OpenCV等)もアップデートしています。とくにWebスクレイピングで利用していたPhantomJSについてselenium側のサポートがなくなりましたので、headless chromeへの入れ替えを行っています。
機能的にはいくつかの機能をdeprecatedしました。
- symantecのエンドポイントセキュリティのサポートをやめました。現在お客様にお勧めしているのがNTT東日本のおまかせアンチウィルス(trendmicroのvirus buster)です。symantecエンドポイントセキュリティは私どもが当初お客様におすすめしていたソフトウェアだったのですが、いくつかの点でtrendmicroが優れていることが分かりましたのでこちらへの乗り換えを進めてまいりました。すべてのお客様の移行が完了しましたので、symantecの機能をdeprecateしました。
- office365の画像認識をつかったヘルスチャック機能を停止しました。office365からの情報の取得は主にAPIをつかう開発方向にしています。そちらへのシフトを進めるために画像認識モジュールのバージョンアップを取りやめました。
外見(ユーザーインターフェイス)は変えていませんので、今後は目に見える部分のバージョンアップも進めていきたいと思います。
←「【おしらせ】Japan IT Week 2018 秋(幕張メッセ)にいってきました。」前の記事へ 次の記事へ「【お知らせ】イーレンジャーかわら版2018年12月号 メールのすり替え詐欺が横行しています。ビジネスメール詐欺」→